前回の続き。。。
晴れてバレエ団員になれたジェシカ!
Yoshiも嬉しかったですね!
同じ職場、同じ家、話すテーマも一緒だし。
これ以上文句言えないですよね笑
自分のやりたい事がお金になる。
努力とタイミングが合わさる事によって起きるミラクルと僕は呼んでいます笑
彼女のランクは一応コールドバレエ(群舞)給料もまだまだ研修生レベル、
Yoshiはもうプリンシパル(主役)になってましたから何を踊るか自分でだいたいわかります。
シーズン最初の日に彼女に言った言葉は
This is not the end, this is your first day as a dancer.
入団出来たら終わりじゃなくてここが始まりやでと。
結構僕もバレエ団に在籍して年月は経ったので、入団したてのダンサーが”入団できたら終わり”って努力しないでクビになっていくのを見てきたのでそこはちゃんとわかってないと
必ず怠けちゃう。
スクールの時は先生が注意してくれる。
実際バレエ団に入るとなかなかそう注意してくれる人がいない。
なので誰も注意してくれないから自分は上手いんだと自惚れる。
自惚れると練習をしなくなる、そしてそのまま舞台に立つ。
舞台に立っても練習していないからあんまり踊れない。
ディレクターも注意するがもうすでに他の人が上手くなっていくので、自分が嫌になり、また練習しなくなる。
そしたらどんどん下手くそになるという負の循環に陥ってします。
そういうダンサーが結構いたよ笑
そういう意味を踏まえ彼女に言ったところ。
しっかり理解していました。
8月からシーズンが始まりすぐに野外公演がありその後はリハーサルの嵐、
10月の公演では世界的にも有名な3人の振付家の作品。
僕らダンサーは必死で良い役をもらおうと努力します。
基本的にそういう作品をする時には
その振付家かそのアシスタントが来て、クラスレッスンを見てベースキャストを決め、後にそのベースキャストから本キャストを決定するという過程で成り立っています。
だからそういう人達が来た日にはみんな良い役を貰おうとピリピリしますね笑
入団1年のジェシカが大抜擢!?
よく日本は年功序列の国でベテランの方が役をもらいやすいですが。
海外のバレエ団は基本実力主義なので入れ替わりが激しく僕的にはそっちの方がモチベーションが上がるので好きです。
このピッツバーグバレエでもそうです。
皆さんシルヴィギエムという方をご存知でしょうか?
20世紀最高のバレエダンサーと讃えられる程のダンサーで、彼女の為に作った作品が世の中に存在します。
バレエ界に革命を起こした振付家ウィリアムフォーサイス、彼は人間の動きを限界まで引き出す事によってバレエの形なのにバレエではないような錯覚を起こすほど常識を覆した振付家で、
彼はシルヴィギエムの素晴らしいスタイルと卓越した身体能力を100%発揮させる作品を作りあげました。
In the middle, somewhat elevated
インザミドル、サムファットエレベイト(1987)
30年立った今でも世界の有名バレエ団で踊り続けられています。
このピッツバーグバレエシアターもこの作品をレパートリーに追加し、
コンテンポラリー作品なら誰もが1度は踊ってみたいという作品。
ジェシカも例外ではなくこの作品を踊る事を熱望していました。
しかし彼女は入団1年目。キャスティングに入るかどうかもわからない(基本的に公演は3回以上なのでキャストは2つ)
しかしこのプレミアにジェシカがなんと主役に抜擢されたんです!
僕も驚いたけどたぶん1番驚いたのは彼女自身でしょう笑
振付を教えに来たアシスタントの方がジェシカのポテンシャルに賭けました。
シルヴィギエムが踊った名誉あるパートを彼女は踊りきれるか不安でした。
なぜなら。
難しい!
シルヴィギエムは超天才世界最高のバレエダンサー。
その人のために振付したわけですから、到底そこそこの有名ダンサーでも彼女のようには踊れませんし。
彼女以上のダンサーは世の中にはそういませんから。
それを入団1年目新米ダンサーが踊るわけですから、想像以上の練習をしなければ形にはもっていけません!
しかしリハーサルが始まり、アシスタントの方もかなり厳しい人だったのでリハーサルが進むにつれてジェシカも心身共にかなり困憊していました!
しかもその作品のリハーサルだけではなく残り2つの作品も出てたので、1日に3つの作品のリハーサルが約1ヶ月ほど続きます。
僕も3つとも作品に出てましたし、この演目がトップ3に入るほどきつかった!
このリハーサルの過程を喋ると長くなるので、結論的に言うと
彼女の入団して初めての公演で、初主役という快挙を達成出来ました!
同じ舞台上に立っていたんですが、彼女が心配で心配で笑 こっちも不安でした笑
しかし初主役なのに堂々と踊って、観客を惹き付けてました!
もう感動ものでしたね!
ちなみにYoshiも笑
左から2番目がYoshi、左から4番目がジェシカ
ここからが大変!
まだ彼女は群舞クラスなので大役に抜擢された後に残る劣等感を身に染みる!
飛行機にビジネスクラスやファーストクラスに乗った後にエコノミークラスにはなかなか戻る事ができません!
他の人より優遇された事によって、優越感が発生します。
優越感を覚えると前の状態に戻る時に劣等感が発生します。エコノミーが普通なのにね。
だからちょっと主役を踊って自惚れるんかと思いきや、努力家なんでしょうか、
その舞台で自分が何が足りなかったのかを研究し、自分がどのポジションにいるかを明確にする事によってその華々しい舞台が終わった後も、しっかり次の演目のリハーサルに向けて練習していたので、
人間として出来てるなーと思いましたね(上から目線笑)
長くなってしまいましたが
ジェシカの事を話すのが好きなもんで笑。
次はなぜ僕がプロポーズにどのように踏み切ったかを伝えます!
また次回に!
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